2006年05月27日
山川直人「コーヒーもう一杯」
以前、さらりと紹介した本。つまらん、とは言わなかったが、万人受けではないというようなことを書いた。
先だって改めて読んでみたら、そもそも面白かったし、実は万人受けするものかもしれないと思い直すに至った。いや、むしろ万人受けして欲しいと思うようになったというべきか。
よく見るとこの漫画は、スクリーントーンが使用されていない。今時珍しい「掛け網」だ。これは売れっ子漫画家には時間的に無理な手の込んだ作業だ。それだけに読む方としては得をした気分になる。
同じようにスクリーントーンを使わない漫画は数多くあるが(じゃりン子チエなど)、ここまで徹底した掛け網をしているのは稀だ。
タッチも切り絵のような可愛さとピカソのような迫力が妙なコントラストを生んでいて面白い。くどく感じそうだが、飽きない絵だと思う。
ストーリーは地味なものばかりだが、この絵では派手な真実を描かれるよりは地味な嘘を描いてもらったほうが心地よい。
オレはこの漫画家には出会ったばかりだが、結構長く描いている人らしい。消えないように地味に追いかけてみようと思う。
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